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Archive for June 2009

20 June

定番の配色

---130F--- 特集ルーム

「定番の配色」

今回は、色彩関連では定番の配色ってやつを簡単にご紹介します。
写真撮影するときの、背景や脇役小物をチョイスする時に、
どんな組み合わせにしようか迷ったときや、
イメージが固まらないときにでも、お役立て下さい。

●ドミナントカラー配色
同じ色相を使って配色することで、イメージに統一感を持たせる配色。
ひとつの色相のイメージが配色全体を支配する感じが出せれば成功です。
夏の終わりごろに、いろんなお店のディスプレイをみると感じられます。
秋らしい深みのある落ち葉色の洋服がディスプレーされていたり、
枯葉や落ち葉の小物が置かれていたり、茶系のPOPで演出されています。

●ドミナントトーン配色
同じトーン(色調)を使って統一された多色配色することで、
イメージに統一感を持たせる配色。
ビビットなイメージは子供服売り場で、パステルイメージは
デパートのベビー服売り場へ行くと、イメージがつかめると思います。

●トーンオントーン配色
同じ色相でトーンの明度差を大きく取って濃淡でつくる配色。
等純系列の事で、オストワルト表色系の等色相面で彩度が同じ系列、
アイソクロームやシャドーシリーズとも言います。
キアロスクーロと言えば、よくわかるかな。
色相の統一感があり、トーンに変化があるので、
統一と変化のバランスを上手にとると色彩調和がうまくいきます。

●トーンイントーン配色
同じトーンで色相に差のある配色。つまり、濃さのそろった配色。
明暗が同じなので、色相の合いにくい色を使っても違和感を抑えられます。

●トーナル配色
中明度・中彩度のダルトーンを中心とした中間色同士の配色。
グレイを含んだ落ち着いた趣のある色で、
全体的に地味で控えめなイメージになります。
トーンイントーン配色や、ドミナントトーン配色ともダブりますね。

●ナチュラル配色
暖色と寒色を意識した配色で、
明るい色を黄寄りにして暖色傾向に振り、暗い色を青紫寄りにして
寒色傾向に振った配色です。
自然から学ぶ事の出来る、違和感の無い色づくりです。

●コンプレックス配色
ナチュラル配色の反対に振った色の配色で、
明るい色を寒色に、暗い色を暖色にする配色です。
自然の色の見え方に反しているので見慣れない配色で、
一見不調和っぽい、半不調和配色みたいな配色だそうです。

●カマイユ配色
色相差・トーン差も近くほとんど同一色に見える配色。
微妙に色調の違う色を用いた配色で、
遠くから見ると同じ色にみえるような
ぼんやりしたあいまいなイメージを表す。
同じ色でも、表面加工の違いで色の違いを出している場合もありますね。

●フォカマイユ配色
カマイユ配色から、もう少し色相やトーンにやや変化をつけた配色です。

●ビコロール配色
バイカラーの事で、メリハリのある明快なはっきりとした二色配色です。
スポーツ系のユニフォームでよく見られますね。

●トリコロール配色
ビコロールにもう一色。トリプルカラーワークです。
色相やトーンにコントラストがある明快なはっきりとした三色配色。
フランスやイタリア、イエメン、ドイツなどの国旗がトリコロール配色です。



言葉では分かりにくいので、サンプル画像を用意しました。
http://www.pst.jp/data/haisyoku.jpg
ご参考までに。







17:40:00 | t-tok | |

16 June

色立体を作ろう! part8 "色彩調和論"

--130F-- 入力の知恵・画像の知識

「色立体を作ろう! part8 "色彩調和論"」

今回は特集「定番の配色」の切り口を変えて
このコーナーでは色彩調和論について原理を説明しましょう。

色彩調和論には、シュブルールの色彩調和論やイッテンの色彩調和論、
そしてジャッドの色彩調和論など、ひとつではなくいろいろあります。
中でもぼくはいちばんわかりやすいと思っているジャッドの色彩調和論を
今回は説明しますね。

ジャッドは、過去の伝統的な色彩調和論の調和の原理を
4つの基本原理に要約したのです。
つまり、色彩調和論を大きな4つの原理にまとめあげたのです。

「秩序の原理」
等間隔性で成り立つ色彩体系の中で、知覚的等歩度又は単純な幾何学的
関係になる様な、一定の法則により規則的に選ばれた色同士は調和する。
(オストワルトの色彩調和論、イッテンの色彩調和論)と、まとめています。
要するに...
色相環の中から等間隔に色相を選ぶように、
計画的に一定の法則によって規則的に選ばれた色は調和する。と。

「なじみの原理」(親近性の原理)
自然の中に見られる色の変化や、その有機的連鎖における配色等、
観察者に熟知されている見慣れた配色は調和する。
つまり、
光と影が作り出す明暗グラデーションのシャドーシリーズや、
秋の紅葉、虹や空の色の時間的な変化など、
自然界や日常的に感じている自然な見え方の色の変化や連鎖は
親和性があり、違和感を感じないという事です。
もっと略すと、見慣れている配色は調和する。です。
緑の葉の日の当たる部分と影の部分の濃淡や紅葉などの、
ナチュラルハーモニーですね。

「類似性の原理」(共通性の原理)
構成された配色間に色相、トーン、白・黒・純色等の混色量、
又は色の感じ等、ある種の共通要素を持つ色同士は調和する。
とか、
お互いに共通する支配的な要素を与えた配色のドミナントカラー。
つまり、
共通性がある色同士は調和する。と。
最も一般的な色彩調和の原理。(同一色相・トーン配色)
同じ色相、同じトーンなどのように共通性を持つ色同士は調和します。
ドミナント配色、トーンオントーン、トーンイントーン配色も、
共通性がある色同士で調和します。

「明瞭性の原理」(明白性の原理)
色同士の関係や配色意図が曖昧な場合は不調和になり、
お互いの色が明確に知覚されると安定した調和が得られる。とか、
明度差が近過ぎる配色は不調和になり易く、
明度差が明瞭な配色程調和し易い。
(ムーン&スペンサーの色彩調和論)です。
つまり、
配色する色の関係があいまいでなく、
明快にはっきりしている関係にある色は調和します。
これは色の関係だけでなく面積比にも関係します。

これらの4つの原理は、4つ全てを成立させるのではなく、
どれかに当てはまるような色彩調和を行えばよいと思います。


マンセルの色立体、今月のデータは2009年6月末で締め切りました。
画像を保存してA4サイズにプリントし、
真ん中から内側に2つ折りすれば、見開き分が完成です。
もうじき完成ですね。



____もっと深く知りたい方はこちら___________________________________

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17:31:00 | t-tok | |

12 June

青空を深い色に

--130F-- フォトショップルーム

「青空を深い色に」

ここ最近、ポスター用の写真撮影がいくつか重なっていました。
大きなものでは、コンパネ大の美容室の写真看板用のモデル撮影や、
展覧会用の商品撮影、観光ポスター用の海辺のイメージ撮影などもあり、
頭の中がぐるんぐるん回っておりました。

そこでひとつ、PRポスターの海辺で撮影したイメージ写真で使った
空の色を深くするやり方を紹介しますね。


まず空の色は何色なのかをよく見てみましょう。
天気のいい日は青空の言葉どおり、青く見えますね。
青い空に白い雲が思い込みの空の絵柄ですが、
プリント上では、想像よりも落ち着いた色で再現されていると思われます。

これは、記憶が美化されている証拠です。
あと、カメラの色再現にも起因しているかもしれません。
写真は記憶に正しく仕上げる事が大切ですので、
このさい現実はどうでもいいのです。
つまり、機械か何かで計測したデータ通りとか、
数値がどうとかは気にする必要はありません。

商品説明のカタログ用ではない場合は特に
主観的にイメージを優先させて、大げさな見方をしてあげたほうが
喜ばれて効果も上げられるようです。


前置きが長くなってしまいましたが、このような理由で
青空も実際の測色的な青色よりも、青空がきれいだという主観を加えて
きれいな青空にして仕上げる必要があります。
現実の青空のコピーではなく、僕の見た青空になるのです。

方法は、ざっくりと空の部分を選択し、
クイックマスクモードに切り替えて輪郭を修整したら
モードを戻して、色相・彩度の調整レイヤーを作ります。

チャンネルをシアン系にして、スポイトツールで空の青を拾います。
色相を少し右のプラス側にずらして、彩度も右のプラス側にします。
OKしてからこの選択範囲を読み込んで
調整レイヤーのレベル補正をつくり、中間のスライダで
少しだけ濃くします。
これで撮影時のぼくの記憶に近い青空の完成です。







17:28:00 | t-tok | |

09 June

体力の低下

--130F-- 思いつきのショートコラム

「体力の低下」

先日、授業が終わってから名古屋で従姉と待ち合わせて飲んできた。
3日間の東京出張から戻ってすぐの授業だったので
教材作りであまり寝てなかった事もあり、生大2杯と泡盛1杯呑んだだけで
帰りの電車で記憶が飛びそうになるのを必死にこらえながら家路に着いた。


最近、眠気に負けそうになる事が多くなったのです。
こんな状態では夜の時間が有効に使えない...
やる気は満々なのに、体が言うことをきかない。
あ〜、体力が低下しているんだぁ。ちきしょう。


でも、体力づくりのために夜な夜なジョギングなんかをするよりも
いさぎよく眠って十分な睡眠をとった方が体にはよいと思うしね。
睡眠時間をさらに削って体力づくりをするなんて、と言い訳を考えながら
実は昼間に遊びすぎていたりして。


今日もいい天気だ。
こんなに気持ちのよい日にPCとにらめっこなんてしていられない。
一生のうちに何度味わえるか分からない、からっからに晴れた涼しい風の日。

よし、決めた。
今日は気の知れたいつものカメラマンを呼んで海辺の浜で呑む事にしよう。






17:28:00 | t-tok | |

07 June

忍者レフ

--130F-- 情報ルーム

「忍者レフ」

先日、よしみカメラの一木さんがお店に来られました。
いつもひょっこり現れるので、前回はぼくが出張中の時でしたので
会えずに残念でしたが、今回はちょうど定休日でしたので
いろいろお話しすることができました。

そこで話題になったのが「自分撮り」と「忍者レフ」。
忍者レフは、窓とかの映り込みを防ぐための道具なのですが、
商品撮影の授業で小物を撮るときに威力を発揮しました。

白レフ側は使うシチュエーションを選びますが
黒側が映りこみを防ぐのに思ったよりも使いやすかった印象です。

商品撮影で表面の反射のあるものは、何を映り込ませるかですので、
白を映り込ませればそのようになるし、
映り込みが気になるなら、黒を映り込ませれば何も映り込んでいないように
みえるだけですから。

より詳しく知りたい方は、気軽にお問い合わせくださいね。
mailto:tsujitoku@gmail.com











17:23:19 | t-tok | |