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Archive for 18 November 2009

18 November

モニターとプリントの色が合わないわけ

--135F-- 入力の知恵・画像の知識

見え方や写り方のしくみ part3
「モニターとプリントの色が合わないわけ」

デジタル写真をやっていると、だんだんとプリントの色味について
こだわりが出てきますね。
もう少しこんな雰囲気の色味にしたいとか思っていても、
モニターで見たとおりのプリントに仕上がらないという悩みも出てきます。

モニターも調整をすれば、プリントに近い似た感じの色再現にすることは
出来るのですが、環境の条件が変わるとまた違ってきてしまいます。

どんな時に違いが出てくるのか、どうすれば出来るだけ近づけることが
できるのか、そのあたりの理由を知っておけば
モニターの調整地獄にはまり込むこともなくなると思います。

まずは、プリントの見え方です。
印刷物や写真という物を総称して「反射原稿」と言われています。
光が印刷物や写真に当たって反射してきた光の色が目に届いて
画像として見えていると言ったしくみのものです。

当然、当たっている光の色によって画像の色味が変わってくるので、
太陽光の下で見たプリントの色と、白熱電球の下で見たプリントの色では
色温度などの数値的には色が違っているものなのです。
しかし、目で見たときは、周りの色味に目がなじんでしまい、
オートホワイトバランスのようなことが起こり、
その環境に身を置いてしまうと気がつきづらくなります。

次に、モニターの見え方です。
ポジフィルムやOHP原稿などは総称して「透過原稿」と言われ、
光にかざして透過してきた色が目に届いて
画像として見えていると言ったしくみのものです。
パソコンのモニターディスプレイも同じく、
バックライト照明から出てきた光がモニターの素子を透過して
色が付いたり減光して画像として見えているのです。
もしくは、素子自体が発光しているものですね。

ですから、周りの環境の照明の色に関係なく、
色温度や輝度などは数値的に常に一定になります。
しかし、目で見た印象では、周りの色味に目がなじんでしまい、
オートホワイトバランスのようなことが視覚か脳内で起こり、
環境が変わると、モニターの方の色が変わったように感じます。

実際の例を挙げると、携帯電話の画面です。
普段外で見ている時にはなんとも思わなかった待ち受け画面が
ある場所ではやたらと青っぽく見えた事がありませんか?

たとえば、自宅ではトイレとか、風呂場など、
外では、大きなホールの客席や薄暗いバーのカウンターなど
白熱電灯が使ってある場所では、普段よりも携帯電話の画面が
青く見えて、ありゃっ?て思った事があると思います。

この画像の見え方のしくみが違うために、ずれが出てしまうのです。

ですから、このずれを少なくするためには、環境の光を一定にする事が
第一になります。
モニターが外光の入る場所にある場合は、
昼の日陰では太陽光が青空に反射したスカイライトの青白い光、
日が傾き始めると、色温度が下がり始め夕焼けにはオレンジの光、
夜には室内を照らす蛍光灯だけの光になり、
光源がいろいろと変わるので、モニターの色が変わって見えてしまいます。

それからもうひとつ、プリントなどの反射原稿は、
光源からの光が原稿の色素当たって反射して見えているので、
その反射率から濃淡や彩度にはある程度の限界があります。
それに対してモニターでは、透過してきた光自体を見ているので
輝度や彩度の限界が高く、光なので真っ赤な色も明るく見えます。

このような特性の違いから、プリントとモニターの色がなかなか
合いにくいという状況になってくるのです。
環境を一定に保ち、しくみの違いを許容した上で、
モニターのキャリブレーションをされると気持ち的にもいいでしょう。

モニターのオンラインキャリブレーションは、こちら。
http://www.pst.jp/tok/web_ts03/html/jyunbi.html






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