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Archive for 18 August 2010

18 August

ストロボ同調速度に制限がある訳

--144F-- 入力の知恵・画像の知識

見え方や写り方のしくみ part12
「ストロボ同調速度に制限がある訳」

レンズシャッターのカメラや
コンパクトカメラ等ではあまり意識した事はないと思いますが、
一眼レフ等のフォーカルプレーンシャッターを使っている機種では
ストロボを使う場合に同調する速度の制限があります。

最近のカメラでは、オートにすればストロボと通信して自動的に
不具合の無い範囲に設定されるのですが、
マニュアル撮影のときなどではシャッター速度に注意しないと
画面の一部や半分が暗くなってしまうような失敗をする場合があります。

なぜこのようなことが起こるかと言うと、
シャッター幕がレンズ内の絞りの位置から遠い位置であるボディ側の
受光面の近くにあるためで、
しかも高速シャッター時の幕の動き方によるものなのです。

フォーカルプレーンシャッターには、先幕と後幕があり、
シャッターが閉まっている状態から先幕が開いて受光面に光が当たり
後幕が追いかけるように動いてシャッターを閉じる構造です。

シャッター速度が遅いうちは、先幕が開いて完全なフルオープンな
状態になってから後幕が動き出してシャッターが閉じます。

ストロボを使っているときは、
シャッター速度が遅い場合、先幕が動いて完全に開ききった時に
ストロボが発光して、それから後幕が動き出してシャッターが閉じるので
何の問題もありません。

しかし、速いシャッター速度になると、
この一連の動作速度が速くなるのではなく、幕の動くスピードはそのままで
光を通す量を少なくするために、
後幕の動き出すタイミングを早くしているのです。

先幕が開ききる前にフライングさせたような状態で
後幕が動き出してしまうのです。
ちょうどスリットを移動させているような感じです。

ですから、先幕が開ききった時にストロボが光っても、
すでに後幕が動き出していて遮光し始めているため、
画面の一部にストロボ光が当たらないような状況になります。

シャッター幕が全開できるシャッター速度はカメラによって決まりますが、
多くの場合は1/125〜1/250ですので、
ストロボ撮影時は1/125以下のシャッター速度を使うように心がけておきます。

ただ、ストロボの閃光時間を長くして全速で同調できるような技術もあり、
そのようなモードを使うことで、意図的に高速シャッターを使う事も
できますので、使用機材は熟知しておいた方が作画の幅も広がります。






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