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17 February

色相対比と補色対比

--171F-- 入力の知恵・画像の知識

見え方や写り方のしくみ part39
「色相対比と補色対比」

前回に引き続き、対比についてまだまだあります。
色と色が隣接したときに起こる対比は、前回の彩度対比だけではありません。
色の三属性である色相、明度、彩度のそれぞれに対比現象は起こります。

http://www.pst.jp/tok/img/ds193_01.jpg の画像をご覧下さい。
これが色相対比の例です。
中央のオレンジ色はどちらも(R255.G100.B0)の同じ色なのですが、
A左の赤の中にあるオレンジは赤味が薄くなり少し黄色寄りに見えます。
一方、Bの黄色を背景にしたオレンジ色は赤みを強く感じる色に見えます。
オレンジの「色相」がずれて見える、これを色相対比といいます。
色相対比とは隣接する色同士が影響し合って、
色相が少しずれて見える現象のことを言うのです。

目の視細胞は、ある色を見るとその色に対する感度が低下します。
たとえば赤を見た場合には、赤に対する感度が低下するのです。
逆に補色である青緑の感度が相対的に上がる事になるのです。

次に、http://www.pst.jp/tok/img/ds193_02.jpg の画像をご覧下さい。
ABの中にある緑の四角は、どちらも同じ値の緑色なのですが、
図の左側Aのピンクに囲まれたの緑方が彩度が高く、
右側Bの黄緑色に囲まれた緑の方が彩度が低く見えます。

これが補色対比で、色相の中でも、
全くの反対側である補色の関係にある色が接すると、
互いの彩度を強める現象です。
補色対比は左側Aの緑とピンクで起こっています。
彩度が高く見えるので、彩度対比と同じような効果があるんですね。
色は数値だけではなく、周りとのバランスで見る必要があるって事なのです。





14:39:00 | t-tok | |

16 January

明度対比と彩度対比

--170F-- 入力の知恵・画像の知識

見え方や写り方のしくみ part38
「明度対比と彩度対比」

明度対比とは、同じ明るさのある色の明度が、
その色のまわりにある他の濃度の違う色の影響を受けて、
元々の明るさよりも明るく見えたり、暗く見えたりする現象をいいます。

例えば、http://www.pst.jp/tok/img/ds192_01.jpg の画像で、
Aの中にある灰色(RGBそれぞれ128)とBの中にある灰色を見比べてみると、
Aの灰色が少し濃い目で、Bの灰色は少し明るく見えませんか?
Aの灰色より背景のほうが明度が高い場合、中の灰色がすこし暗く見えます。
Bの灰色より背景のほうが明度が低い場合は、中の灰色が少し明るく見えます。
これが明度対比です。

この現象は明るさの明度だけではなく、色の鮮やかさでも起こります。
それが彩度対比です。
http://www.pst.jp/tok/img/ds192_02.jpg をご覧下さい。
真ん中の緑の四角はABどちらも「R32.G121.B55」です。

ある同じ彩度の物の背景に、その色より彩度の高い色をおくと、
同じ彩度の物は本来の彩度より低く見えます。(A)
逆に、同じ彩度の物よりも彩度の低い色を背景におくと、
同じ彩度の物は本来の彩度より高く見え、鮮やかさが増して見えます。(B)
このように周りの色に影響され、
彩度が高くなったり低くなったりする事を、彩度対比というのです。

結局、画像は数字上の数値が絶対だと言う訳ではないのです。





14:32:00 | t-tok | |

18 December

色と光

--169F-- 入力の知恵・画像の知識

見え方や写り方のしくみ part37
「色と光」

今更ながらですが、色ってなんだろう、光ってなんだろう...って。
普通の社会で生きていたら、特に意識するような事ではないのですが、
理屈を考えていくと少々面白かったりするのが、色と光です。

色は何物なんでしょうか?
物の表面に付いているものだと思われがちなのですが、実は違っていたり。
もう少し詳しく言うと、色は、物体の表面に付着しているのではなく、
物体の表面に光が当たってその反射してきた光が色です。
ですから、色は光を媒体とした感覚なのです。

光は電磁波の一種で、380nm〜780nmの波長が色として目に見え、
その範囲が可視光であり、スペクトルって言っています。
780nmの波長の長い方が赤で、オレンジ、黄、緑、水色、青、紫、と
波長が短くなっていきます。

色は物体に当たった光の反射なので、
本来は当たる光によって同じ物体の色が違って見えるのです。
ですから、電球下は黄赤っぽい色に写り、日陰は青空の反射で青くなるのが
当然なのです。

でも、目で見た感じでは、数値でみるほど色が違って見えないのです。
それは今までに経験してきた日常生活からの記憶と結びつけて
脳内で補正をかけているからなのです。

昔はポジフィルムで写していましたので、写真は数値どおりの発色をし、
記憶は脳内補正され、色が更新されているため、駆け出しの頃は
こんな色じゃなかった....と感じる事も多くありました。

今ではオートホワイトバランスのおかげで、この差を少なく自動補正して
それほど違和感無くしてくれているのです。
見え方に近くなるようにいろんな技術が開発され、
便利になり工夫を必要としなくなってきている反面、
本当の仕組みがわかりにくくなっているのです。





14:19:00 | t-tok | |

16 October

受光面は倒立画像

--168F-- 入力の知恵・画像の知識

見え方や写り方のしくみ part36
「受光面は倒立画像」

現在はもう、デジタルカメラが普通のカメラになってしまいました。
そんなデジタルカメラですが、ほとんどの機種にモニターが付いています。
コンパクトデジカメには、ファインダーすら無い機種も多く、
背面のモニターを見ながら、フレーミングをしていますね。

コンパクトデジカメを被写体に向けると、そのカメラを向けた方の画像が
背面モニターに、普通に映し出されます。
何の違和感もなく...です。

さて、レンズを通って入ってきた光は、どのような道筋で受光面に
当たっていると思いますか?
見えている向こう側の映像が、そのまま並行に入ってきて
レンズで縮小されてカメラ内部に入り、受光面に当たっている画像を
そのままモニターで見ている...のではありません。

レンズの仕組みは、そうではありませんね。
レンズには、焦点距離があります。
レンズ内部に入ってきた光は絞り羽根のある位置でクロスし、
画像が反転されて光が出てくるのです。

昔の蛇腹式のカメラを使ったことのある人にとっては、画像がサカサマに
見えるのは当然な事と認識しているのですが、便利になった今では
そんな事知っている人も減ってきました。
そのサカサマに写る原理はピンホールでも同じ事です。

なので、レンズを入ってきた画像の光は、絞り羽根の位置で交差して
反転倒立画像になってカメラ内部の受光面に映し出されます。
その上下左右のひっくり返った画像をまたひっくり返して
背面のモニターに映し出しているので、普通に見えているのです。
反対の反対は元通りなのだ。(笑)





13:17:00 | t-tok | |

15 September

順光・側光・斜光・逆光

--167F-- 入力の知恵・画像の知識

見え方や写り方のしくみ part35
「順光・側光・斜光・逆光」

光の当たり方の角度の事で、順光と逆光、そしてその中間の
サイド光の事なのですが、真横や斜めを分けて言うと順光・側光・斜光・逆光
って言う言い方になります。

日中の外での撮影では、太陽がメインライトになりますので、
朝夕はライティングのバリエーションが豊富にありますが、
正午頃になると、太陽は頭の上。トップライトのみです。
どの方向から撮っても、似たようなライティングにしかなりません。
日陰に入ったり、レフ板やストロボを駆使して、撮影することになります。

お昼前後をはずすと、撮影のバリエーションがグンと広がります。
朝や夕方になると太陽は低い位置なり、影もより伸びてきますね。
太陽の色も変わってきます。

日が傾くと撮影の方向によって印象がすごく変わってきます。
太陽を背にして撮影するのが「順光」
被写体にはまんべんなく光が当たり、影は少なくなります。
立体感が無くなって、荒も見えにくくなります。
色再現もよくなり、色がきれいに見える光の当たり方です。

光が横から当たる状況を「側光」もしくは、「サイド光」といいます。
影がつきやすく立体感が強くなり、荒もめだちます。
質感を色でしなく、陰影で表したいときに使います。
斜光は、もう少し順光寄りの影を弱めた角度です。
ポートレートの定番ライティングですね。

逆光は、写真画像自体に光源が入るとか、レンズに直射光が入る角度です。
全体の明暗が強くなり、質感もなくなります。
ディテールは見えにくくなる代わりに、カタチが強調されます。
画像が写真的に壊れるので、ドラマティックな印象になり、
それを悪用してイメージカットなどと称する場合が多いです。
ま、悪用とは言いすぎですが、見慣れない新鮮なイメージになります。

同じ被写体でも、光の当たり方で印象がずいぶんと変わりますので、
適切なライティングを見つけながら撮影すると面白いですよ。





14:38:00 | t-tok | |