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Archive for June 2010

20 June

暗い所で近くの文字が読みにくくなる訳

--142F-- 入力の知恵・画像の知識

見え方や写り方のしくみ part10
「暗い所で近くの文字が読みにくくなる訳」

40才を過ぎた頃だったか、老眼なのか近くの文字が読みにくく
なったように感じるときがありました。
どんな時かというと、周りが暗い中で読みにくくなります。
最近では慣れてしまったのか、治ったのか、あまり実感がなくなたのですが。

年のせいだと言ってしまえば終わりなのですが、せっかく経験した
近くの文字が読みにくくなった現象を解き明かしていきましょう。

まず、見えにくくなったとはどういうことかと言うと、
首からさげていた携帯電話の文字画面が、
首からさげたままではストラップが短くて近すぎてしまい、
ぼやけて読みにくくなったと言う事例です。

外で使っているときは、何の不自由もなくはっきりと読めていたものが
バーで飲んでいるときに誰かからメールが入って読もうとしたら
文字がぼやけて読みにくいことに気づき、
首からストラップをはずして、メールを読んだという経験。

さて、老眼は夜だけなのでしょうか?

この原理はカメラのレンズとよく似ています。
明るいところではレンズの絞りの役割をしている目のこう彩が
網膜に当たる光の量を調節するために、絞りを絞った状態になります。

すると、レンズと同じように被写界深度が深くなり、パンフォーカス
のようにピントの合う範囲が手前から遠景まで広範囲になります。
ですから、目のピントの合う最短距離よりも近いエリアまで
はっきりとピントが合ってよく見えているんですね。

逆に暗い場所では目の絞りが開放になり、被写界深度が浅くなるため
目がピント調節できる範囲外になると、途端にぼやけてしまうんです。

余談ですが、バーなどでは居心地が良くなるように、
この効果を利用してお店の照明を暗くしているんです。

見つめたもの以外のエリアがアウトフォーカスになり
ボケによる省略の効果により、くっきりと見えないようにして
視界に入ってくる情報を制限して落ち着いた雰囲気を作っているのです。

となりに座っている女性の背景をぼかして見せて視線を集めやすくし、
彼女が引き立ち、よりきれいに見えるような仕掛けがしてあるんですね。

写真でも、不要な雑多な情報は省略した方が気持ちいいですから。


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