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Archive for September 2011

19 September

遠近感のしくみ

--157F-- 入力の知恵・画像の知識

見え方や写り方のしくみ part25
「遠近感のしくみ」

最近は3D映像も浸透してきて、3Dカメラも一部では出始めてきました。
さて、この3D、なぜ立体的になるのかは見てのとおりに、
2つのレンズを使って、人の2つの目で見たのと同じように撮影して、
それを人の目の左右それぞれ別々に見せているからです。

この3Dを使えば、立体的な映像を見ることができるのですが....
どうも今のこの3Dは、わざと違和感のあるような見せ方をして
この驚きを武器にして売り込みを図っているものばかり。
なかなか自然になじめるような映像には出会えませんねぇ。

3Dはいいとして、では、従来の1つのレンズでどのように立体的に
見せるのかが今回のお話です。
当然、飛び出るような驚きもありませんし、本当に立体な訳でもありません。

ここでちょっとシミュレーションをして見ましょう。
片目を閉じて、一眼カメラの見え方を体験して見てください。
片目だけで周りの景色をよーく観察してください。
これが基本的な写真の見え方の世界です。
ただし、実際の写真よりも、めちゃくちゃラチチュードが広いので、
明るいところから暗いところまで、よーく見えているはずです。

次に、片目だけで広く見渡した見方をしてみてください。
視界に広がるのが、広角レンズを使ったときのイメージです。
まず今は、漠然と眺めていてください。

そしたら、片目のままその視界の中の一点だけを注視してください。
これが望遠にズームインしたイメージです。
なにか、視野角以外に気づいたことはありませんか?

ひとつは、注視した部分だけ、よく見えるようになったはずです。
ズームアップしたので、当然ですね。
注視している部分以外は、見えているけど把握できない映像です。

では、注視をやめて、もう一度全景を見るようにしてみてください。
何か気づきましたか?

物の大きさと位置の関係です。
近くにあるものは大きく見えて、遠くの物は小さくなる。
これが遠近感です。

例えば、ビルを見上げているとします。
両目で見ているときは自然に四角いビルに見えていても、
片目を閉じると、明らかに上のほうが小さくなっている台形になるはずです。

わかりにくいときは、何か対比するものがあると、
はっきりと台形になりますので、対比するものをかざしてみましょう。
四角いファイルを当ててもいいし、両手で平行に指をかざしてもいいですね。

遠近感のある写真は、このあたりをちょこっとだけ操作して
奥行きのある写真を作り出しているのです。
ただ単に、広角レンズを使ってデフォルメしたものもありますが、
この遠近感の仕組みがわかっていれば、
撮影時に対比させるものを少しゆがませるとか、傾けたりして工夫すれば
より遠近感が強調されて、奥行きのある写真になるのです。

この原理を利用して、対比するものを極端に狂わせて遠近感を操作した
トリックアートも、今流行ってますね。
最近では、あちこちでトリックアート展もやっているので
行ってみるのも面白いですよ。





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