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Archive for November 2011

16 November

パーティー会場で背景が黄色くなる訳

--159F-- 入力の知恵・画像の知識

見え方や写り方のしくみ part27
「パーティー会場で背景が黄色くなる訳」

昔のフィルム時代では、結婚式の披露宴やパーティー会場で
スナップ写真を撮ると、手前にいる人の顔が青白く光って、
化粧している人の顔が、作り物の幽霊のように写ってたを覚えていますか。

昔の写真機材は、フィルムの感度がISO100から400ぐらいがメインでしたので
室内で撮るにはストロボが必要でした。

感度の低いフィルムを使っているので、レンズを明るくするか
シャッター速度を遅くするか、明るいストロボ光が必要です。

コンパクトカメラでは、レンズを明るくすることは難しい上、
現在のような手振れ補正の機能もありませんので
シャッター速度を遅くすると手振れをして鮮明な画像になりにくくなります。
ですから、ストロボ光を明るくして撮るしかなかったのです。

このような条件で撮影された写真は、
手前の人物だけにストロボが強く当たって、遠くの背景は暗く写ります。
自動露出で撮ると、手前が露出オーバー、奥が露出不足になるからですね。

ですから、本当は背景が電球の色で黄色くなっていたのですが、
露出不足のため、暗くなって黒っぽくなり、黄色が目立ちませんでした

では、デジタルカメラになると、なぜ背景が黄色くなってしまうのか。

最近のデジタルカメラは、高感度になった上、手ぶれ補正も付いている。
ですからシャッター速度が遅くなってもあまり手振れを起こさず撮れ
暗い場所でも遅いシャッター速度がセレクトされて
高感度との相乗効果で暗い部屋でも明るく写す事ができるようになりました。

そこで問題になってくるのが、ストロボ光と周りの光の色の差です。
小型のストロボや、コンパクトカメラに内蔵されているストロボは、
その光の色は太陽光よりもわずかに青い6000〜6500度ケルビンです。

パーティー会場の電球の色は、明るくした状態でも3200度ケルビン程度、
調光してすこしパワーを落とすと、2800度ケルビンとか、それ以下の
黄色い光になるのです。

高感度なデジタルカメラでホワイトバランスをオートで撮った場合、
そこまで低い色温度に設定されずに黄色味を残した画像になり、
軽くストロボが当たると、手前の人だけ電球とストロボ光との
ミックスライトになり、背景が黄色くなってしまうのです。

それを防ぐには、プロの撮影を見ればすぐにわかります。
大抵、色温度を任意に設定できる一眼レフを使い、ストロボの
発光部にオレンジ色のフィルターが貼ってあります。

ストロボの色を周りの電球の色に近づけて、
その色温度にカメラを手動で設定して撮影しているのです。





15:26:00 | t-tok | |