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Complete text -- "形から入らないで"

16 July

形から入らないで

---131F--- 特集ルーム

「形から入らないで」

先日、買い物に出かけたときの話ですが
いらっしゃいませ!と気持ちのいい言葉をかけられて気分よく店に入ると
少々お待ちください、まことに申し訳ありません、等と色々な言葉が
聞こえてきて、店の奥に目をやると、新人研修らしき光景があった。

それはそれで良い事なのだろうけど、どうやら様子がちょっと違う。
店員の動きを順次にマニュアル化しようとしているらしい。
ま、短期のアルバイトなら、形から仕込むのがいちばん早いのだろうけど
お店で商品を提供する事の本質とは違う気がする。
形ではなく、その人なりの主観的な気持ちから出てくる言葉で
接してほしいと思うのは求めすぎなのでしょうか?

写真も形から入ると、見かけ上のつくろいはできるけど
本当の目的とはかけ離れてしまう事も多い。
形を学ぶ事が悪いと言っているのではなく、形を学ぶ事自体は大切だけど
形を主軸とすることが危ないと思っている。

写真の具体話で言うと、少し前に観光ポスターの撮影をしたのですが
依頼主の決定を下す担当者が形を重視する人だったようで、
去年多くの資金を使い大手の会社で作ったものに拘っているため
もっといい写真がいくらでも撮れているのに、
あまり出したくないカットが採用されて、すっきりしない仕事になりました。

もっとわかりやすい話で言うと、講習会や学校で教えている撮影の授業で
撮影前のチェック項目を理由説明しながら言っている最中に
手順だけメモをしている人。
レタッチの授業でも、意味をおぼえようとせずに手順だけを聞いてくる生徒。
こういう場面ではなぜ被い焼きツールを使うのかを説明しているときに
ココを押してからココをハイライトにしてサイズは60で...としか
メモしてない人を見ると心配になってくる。

さて、話を写真に戻して、大事な事をひとつ伝えておきたいと思います。
形を学ぶ事は大事な事です。
あんな写真が撮りたい。こんな風に撮ってみたい。という気持ちも大切です。
でもそのうち写真の楽しさや感動を感じなくなり
写真を撮らなくなってしまったり、撮れなくなってしまったりするでしょう。
それは、撮りたいものが無いという状況です。
もともと対象物そのものにはに興味が無かったのかもしれません。

自分で工夫して表現しようと動き、対象物に興味を持って観察したり
光の当たり方や影の出方、見え方に注意してみると
今度は本当の写真のおもしろさに気づくかもしれません。








11:16:00 | t-tok | |
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