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20 April

汚れてしまった写真の救済方法

---152F--- 特集ルーム

「汚れてしまった写真の救済方法」

被災地の報道で最近目にしたのが、途方にくれるような瓦礫の中から
泥をかぶってしまった思い出の写真を拾い出している情景でした。
せっかく見つかった、二度と残す事の出来ない大切な思い出の写真は
できるだけ傷をつけずに救済したいものです。

そこで今回は、ライティングのバリエーションをやる予定でしたが、
東北地方太平洋沖地震による津波で被災された皆様や身内の方々対して、
私たち写真に従事する者に出来る事で、何かお役に立てればと思い、
まずはこのメルマガで伝える事の出来る内容として、
汚れてしまった写真の救済方法について特集したいと思います。
お知り合いが見えるようでしたら、伝えてあげてください。

今回のような場合、推測なのですが、海水と泥による汚れになると思います。
キズや折れてしまったものは、コンピュータを使った画像修復をする
必要がありますが、まずは濡れた事により写真どうしがくっついてしまったり
汚れてしまったものを救済する方法をお伝えします。

まずは、どんなプリント方法で作った写真かどうかを判断します。
写真屋でプリントした銀塩写真、いわゆる本物のカラー写真や白黒写真は、
おおまかに現像・定着・水洗・乾燥といった行程で作られていますので
水に強いという特徴があります。

たとえデジカメで撮った写真でも、写真屋でプリントしてもらった写真なら
この本物の銀塩写真である可能性が高いのでまずは種類の確認です。

本物の銀塩写真は、写真の裏に薄いメーカーロゴが入っています。
フジフイルムのペーパーを使っている場合は、
「Fujicolor Ever Beauty paper」とか「for LASER」とあったり、
「Fujicolor Crystal Archive」と薄く入っています。

古い写真では「FUJICOLOR paper」とだけ入っていますが、
デジタルが普及する以前の写真なら、本物の銀塩写真でしょう。

他のメーカーの写真ペーパーの場合も薄くロゴが入っていますが、
種類によってはメーカーロゴ無しの銀塩写真もありますし、
逆にロゴ入りのインクジェット用紙もありますので注意してください。

最近出始めた業務用のドライプリンターも、
家庭用と同じインクジェット方式ですので、
これらのインク式の写真の場合は、キズや水に弱いので残念ながら...

本物の銀塩写真である確認が取れたら、作業に取り掛かります。
泥と海水で汚れたりくっついていると思いますので、
無理にはがしたりこすったりせずに、泥や塩が抜けるように
そのまま真水にしばらくつけておきましょう。
アルバムごとでもかまいません。

泥がゆるくなったら水の中でゆすって汚れを落とし、
きれいな水に入れなおします。

水の中で無理せずゆっくりと写真を一枚一枚はがしていきます。
はがれた写真は、別のきれいな水を張った容器の中に移していきます。

全部はがれたら、こちらの水の中へ界面活性剤か、中性洗剤を少し入れ
泡が立たないように静かに混ぜてから写真を取り出して乾かします。

乾かすときには、車のワイパーなどを利用して
表面の水分をムラ無くふき取ってからドライヤーなどで乾燥させれば
きれいに仕上がります。

難しいときは、自家処理している写真館や写真店に持ち込めば
喜んで力になってくれるでしょう。
思い出を取り戻す事で、被災された皆様の励みになればと願うと共に、
被災された地域の一日も早い復興を応援申し上げます。






16:33:00 | t-tok | |
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