Archive for 22 May 2011
22 May
室内は思っているより暗い
--153F-- 入力の知恵・画像の知識見え方や写り方のしくみ part21
「室内は思っているより暗い」
屋外ではいつもきれいに写っているのに、室内ではいつもざらざらした
薄暗い写真になってしまう事、経験ありませんか?
マニュアルで写真を撮っている方ならわかっていると思いますが、
室内は、見た目以上に暗いのです。
目で見た感じでは、それほど苦にならない程度だと思っていても
実際に明るさを測ってみると、かなり暗いのです。
人の目は、明るい場所にいても、暗い場所にいても、
その周りの明るさに慣れてしまい、それほど差を感じないのです。
それとは逆に、環境の明るさが変わる場面では、まぶしかったり
目が暗んだりします。
例えば晴天の日に車を運転していて、地下の駐車場へ入った時
周りが真っ暗で見づらい経験をしたと思います。
朝、目が覚めてカーテンを開けたらまぶしくて目が開けられないとか。
それでも次第に、目の虹彩が徐々に調節してくれるので慣れていきます。
では、明るさを実際に測って見ましょう。
照度計やフラッシュメーターを持っていなくても一眼レフの露出計で
測れますので、どれくらい明るさが違うのかやってみましょうね。
カメラのモードをマニュアル「M」のモードにします。
ISO感度を400とかに固定してください。
絞りの値を、例えばF8に設定します。
できれば測光方法を中央部重点平均測光にしてください。
晴天の外へ出て、いろんなものの明るさを測ってみてください。
カメラの露出計が「0」を指すときが適正露出ですので、
その時のシャッター速度を見るのです。
わかりやすいのは、友達の顔でもいいですね。
外ではシャッタースピードが、1/500や1/1000など、
とても速いシャッタースピードになっていることでしょう。
では、室内に入り、同じように友達の顔を測ってみると、
1/15とか、1/8等と、手振れをしてしまうほどシャッタースピードは
遅くなり、それだけ暗いということがわかります。
外で1/1000秒だった明るさが、室内で1/15秒になったとすると、
その明るさの差は、どれくらいあると思いますか?
シャッタースピードの段数がいくつあるのか考えればわかりますね。
ん〜、最近のカメラは1段とか1絞りという感覚が無くなってきてますが、
絞りは、F1.0, F1.4, F2.0, F2.8, F4, f5.6, F8, F11, F16, F22, F32
このような間隔で一段ずつ絞っていくのが基準になっています。
シャッタースピードは、1s, 1/2s, 1/4s, 1/8s, 1/15s, 1/30s, 1/60s,
1/125s, 1/250s, 1/500s, 1/1000s, 1/2000s, 1/4000s
このような間隔を一段としています。
ですから先ほどの明るさの差がどれくらいあるかというと、
外で1/1000秒だった明るさが、室内で1/15秒ですので、
1/15sから、1/30s, 1/60s, 1/125s, 1/250s, 1/500s, 1/1000sと、
6段分の差があります。
デジタルでは、2段露出が変わるだけで、かなり画質が悪くなりますので
この6段の露出差は、とても大きな差があるということになります。
目で見た感覚ではなく、明るさは絶対的な数値を基準にしなければ
たやすく失敗してしまうということなのです。