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Archive for 25 August 2011

25 August

ピントは合わせよう

---156F--- 特集ルーム

「ピントは合わせよう」

先日、職業訓練校の卒業生を対象とした、2級写真技能士の試験を
手伝いに行って来たのですが、
カメラの扱いが未熟な人が多くてがっかりさせられました。

特に、ピントについて、非常に残念な方が多く、
ピントの合わせ方を知らないんじゃないか?と思ってしまうほど、
ピンの甘い画像が目に付きました。
そこで、デジタル一眼レフのピントの合わせ方についてです。

どんな方法でピントを合わせているのかは、人それぞれあると思いますので、
ここでは、ぼくが普段やっているピントの合わせ方をご紹介します。

まず、根本的にピントが合うかどうかの点検をします。
いつも撮影していて、特にシャープに写って欲しい距離でチェックします。
フォーカシングのテストチャートを使えばわかりやすいですね。

もしも、全体的に前ピンや後ピンの傾向になっているなら、
レンズを換えて、原因がレンズ側かボディ側かを見極めます。
そしたらサービスステーションに持ち込んで調整してもらうか、
マイクロアジャストの機能を使って調整しておきます。

それでは、実践の撮影です。
ぼくはフォーカシングセンサーは中央一点のみを選択しています。
他の位置のセンサーは、瞬時に切り替える手間を省くために使いません。
それに、精度が落ちるような気がして...
撮影対象がスポーツや動くものでなけれぱ、これで十分です。
AFも、ワンショットAFです。ま、スポーツ系は別ですが。

ピントを合わせたい場所に画面の中央のセンサーを向けて
シャッターボタンを半押ししてAFを固定します。
そしたら取りたい向きに画面を直してからシャッターを切ります。
望遠系のレンズなら、これだけのことです。

標準〜広角レンズを使っている時は、ちょっと注意が必要です。
それは、コサイン誤差と言われるもので、
カメラの向きをずらすことで、ピントの位地がずれてしまう現象です。
フィルム時代では、それほど気にはならなかったピントはずれも、
デジタルカメラの高解像度化と共に、気になるようになってきました。

広角系で開放近くで撮っている時は、フレーミングしなおす時に
少し体を引くような癖をつけておくといいですね。
ほんの1センチ〜数センチの事ですから、
わざわざピントを合わせなおすような必要はありません。

あと、周辺の照明は、明るい方がAFにやさしい気がします。
昔はライティングを見るために、モデリング以外は消してましたが、
オートフォーカスを使うためには、明るい方がいいです。

それから、絞りすぎも良くありません。
絞り羽根の隙間が小さくなると、回折の影響も大きくなり、
どこにピントがあっているのかわからないような
全体的にもやぁっ、とした写真になってしまいます。
特に、受光面の小さな、フルサイズではないカメラでは、
ピントの芯がどこにも無いような、ふ抜けた写真になってしまいます。

あともうひとつ、重要な事は、レンズは中心近辺がピントがいい
と言うことです。周辺部は、どうしても落ちてしまいます。
なので、仕上がり寸法を想定して、どちら側を切り捨てるかです。

例えば、全身のポートレートを四切にプリントする場合です。
一眼レフの画像の比率はほぼ3:2です。
四切の比率は5:4なので、カメラの画像が3:2=6:4で、
1/6ほど長辺を切り捨てることになります。

全身を縦位地で撮ると、顔の位置が中心から大きく離れますね。
それなのに、上下を均等に切り捨てるような撮り方をしているやつは
何もわかっていない、いや、大変にもったいない人。
周辺までしっかりとしたレンズを使っていればいいんですけどね。

顔にピントを合わせたければ、頭上のみを1/6切り捨てるのです。
足元はいっぱいにして、上だけをトリミングすれば、
先ほどのコサイン誤差も少なくなり、いい事づくめです。

使用している機材のいいところも悪いところもみんな把握して
いいところをどんどん使っていくようにしていきましょう。
それが道具ってもんです。





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